自己破産よくある質問

1 いくら債務額があれば破産できるのですか 

2 自己破産をすると家族に知られてしまうのか 職場に知られる心配は? 

3 自己破産すると解雇されるますか

4 自己破産すると家族に迷惑がかかりますか

5 自己破産すると生命保険は解約しなければなりませんか

6 年金や児童手当、生活保護に何か影響ありますか

7 別れた妻との間の実子の為に月々支払っている養育費用も免責されるの?

8 車のローンを支払っている途中での自己破産

9 中古車はどうなるの?

10 現在アパートを賃借中ですが、出て行かないとだめですか
11 マイホームはどうなるの?

12 保証人がいるのですが、迷惑がかかりますか?

13 破産申立を考えているのですが、破産管財人が就任する管財事件と、就任しないで破産手続開始と同時に終結する同時廃止事件があるそうですが、どういう基準で区別されているのですか

14 自由財産とは何ですか

15 自由財産の拡張の制度とは何ですか

16 私は次の資産を有しています。自由財産の拡張を申し立てたとしたとして認められますか?
現金30万円 保険解約返戻金35万円 株式20万円 自動車30万円 退職金予定額の8分の1の額=20万円

17 自由財産の総額が99万円を超えても自由財産拡張が認められますか 

18 私は8年前に自己破産を申し立てて、免責の許可決定を受けました。再び自己破産を申し立てて免責を得ることは出来ますか?

19 もともと、生活費が足らずサラ金で借金していましたが、趣味がパチンコで、負けるときは一日数万円負けてしまいます。このような場合は免責されないのですか

20 免責観察型の管財事件は具体的にはどのようなものなのですか

 

 

注意 基本的に大阪地裁の運用を前提に以下記しています。東京地裁の運用やその他の裁判所の運用は以下のものと異なる場合があるので注意が必要です

 

 

 A.1  いくら債務額があれば破産できるのですか?


 一言でお答えするのは困難です。たとえば、月収、年収共に非常に高額であれば債務総額400万円でも支払不能にあるとはいえないでしょうが、生活保護を受給しているようであれば、もっと低額の債務総額であっても支払不能と認められ、破産手続開始決定がなされるでしょう。

 破産法は、「支払不能」の状態にあることを破産開始の要件としています。
その支払不能とは、支払能力を欠くために、弁済期にある債務を一般的、継続的に弁済することの出来ない状態にあること、と定義されます。
 ですから、債務額がいくらであれば破産手続を開始する、という規定にはなっておらず、支払不能状態にあるかどうかを人により個別的・具体的に判断することとなります。
 例えば、他に資産がない月収が20万程度のサラリーマンで、債務総額が400万円(金利30%の場合)なら、単純に計算すれば、1箇月の支払金利は10万円となり、毎月10万円の支払に止まる限り、いつまでたっても元本が減らないという状態です。この場合、可処分所得(給料手取額−生活費)の額、その割合からみても支払不能状態にあるといえるでしょう。

 

 

A.2 自己破産をすると家族に知られてしまうのか 職場に知られる心配は?

 

家族と同居していないならば、家族に知られる心配はまずないといえるでしょう。
弁護士や司法書士に破産申立の依頼をしているなら、裁判所からの通知も弁護士や司法書士の事務所に通知・連絡がなされます。例えば破産手続開始決定書にしても弁護士、司法書士が申立人にかわって受領します。
 しかし、同居の家族(親族)がいらっしゃるならば、破産手続を進めるに当たりその協力が必要となります(同居の方の市府民税証明書の提出など)ので、知られずに破産手続を進めることは出来ません。

 また職場に知られることも、ほとんど無いといえると思います。
すくなくとも、裁判所から何らかの通知が職場に届くことはありません。
 ただ、破産開始決定が出た旨は、法律や政令などを公告する国が発行している官報公告を閲覧すればわかります。しかし、そのためには、これを購入するなり(日刊新聞のように何処でも売っているというものでもありません)、わざわざ図書館へ足を運んでこれを閲覧しなければなりません。
 そういう人があなたの職場にいれば、ばれてしまうでしょうが、滅多に無いことと思います。

 また、破産手続開始決定がなされると破産者名簿というものが本籍地の市町村役場において作成されます(なお住民票や戸籍には破産した旨の記載がなされることはありません)。しかし、これは一般人には閲覧できません。また免責決定が出るとこの名簿から氏名は抹消されます。

 ただ、非常に人口数の少ない村のご出身の方で、その村役場に勤める多くの人間が顔見知りであり、また、本籍地は替えたくないので破産申立は回避し債務整理としては別方法を選択したという実例がありました。

 

 

A.3 自己破産をすれば解雇されますか

 

雇用主が適法に解雇が出来る場合は限定されています。破産はその事由に該当しません。
 その前に、自己破産したことを職場に裁判所が通知するという制度は上にみたようにありません。
 にもかかわらず、何らかの事情で、不幸にも職場に知られるところとなっても、法的にはそれだけでは正当な解雇理由となりません。
 ただし、生命保険募集人や警備員は復権するまで(免責許可決定確定するまで)は資格喪失します。また会社の取締役は従来は、破産手続開始決定がなされると復権するまでは取締役の地位に就けなかったのですが(取締役の資格の欠格事由とされていたからです)、新会社法の下では、一旦退任しなければならないものの(会社と取締役の関係は委任関係と解され、民法は受任者破産を委任の終了事由と規定しているため)、破産手続開始決定後に再度選任されれば取締役の地位に就ける扱いになりました。

 

 

A.4 自己破産をすると家族に迷惑がかかりますか?
 

家族というだけで、破産をしたことにより、家族に不利益が及ぶということは法的にはありません
 ただ、現実には、家族がまとまった融資を受けようとする際に、家族に破産者がいたということが、不利益を及ぼすことはあるようです。 実際のところは、これが融資をする際の重要な要素となるかどうかは、借入額、利率、借入目的、担保の有無、それまでの取引経過等から総合的に判断されることでしょうから、家族に自己破産者がいれば、それだけを理由として絶対に融資しない、ということはまずないでしょう。

 

 

A.5 自己破産するなら生命保険金は必ず解約しなければなりませんか

 

積立型の生命保険金で解約返戻金(へんれいきん)が20万円を超えるならば、解約して、債権者に配当するのが原則です。

但し、破産管財人が就任した場合に、自由財産拡張の申立により、その保持が認められた場合は解約しなくてもよい場合もあります。 ただ、自由財産拡張の裁判の手続きは必ず破産管財人の選任が必要とされますのでその選任の費用を負担しなければなりません。

 

A.6 年金や児童手当、生活保護費に影響はありますか


 影響はありません 

 

 

A.7 別れた妻との間の実子の為に月々支払っている養育費用も免責されるのですか?
 

既に遅滞している養育費用については、実は旧破産法下では免責されていましたが、平成17年からの新破産法では免責されなくなりました。
 また、破産開始決定後に生じる将来にわたる養育費用については(旧来からも)免責されることはありません。
 結局、養育費用は非免責債権となります。他にも、租税など非免責債権は他にもあります。

 

 

 A.8 車をローンで組んで支払をしている途中での破産
 

自動車の所有権は通常、ローン会社や販売会社に所有権留保されています。
従って、車のローンは支払えない(支払うと偏頗弁済--へんぱべんさい--となります つまり一債権者のみに任意に弁済して債権者の公平を害する弁済で、これは原則的に免責不許可事由にあたります)ので、ローン会社等が物件を引き上げます。従って引き続き使用することは出来ません。残債務は破産手続上で処理される破産債権となり、免責対象となります。

 

 

A.9 中古車なのですが・・・
 

普通自動車で初年度登録から7年、軽自動車・商用の普通自動車で5年を経過しているならば、新車時の車両本体価格が300万円未満で、外国製自動車でないときは、現在の価値は、ほぼ無価値であることが多いことから(いわゆるクラッシクカーとして価値が高いものもありますが、それは含みません)、査定は原則として不要です。これについてはそのまま使用できることになります。
 なお、破産管財人が就任した場合には、自由財産の拡張を申し立てて自動車の引渡を受けるという運用となります。

 


A.10 現在アパートを賃借中ですが、出て行かないとだめですか
 

賃料や敷金が不相当に高額でない限りは出ていく必要はありません。また、以前は、賃借人が破産したというその事のみで賃貸人は賃貸借契約を解約出来るという民法の条文がありましたが、これも現在削除されています(もっとも、家賃の引き落としをクレジットカードによる決済としている場合はともかく、旧来でも賃貸人に破産申立の事実がわかってしまうという事態は考えにくかったのですが)。 また、たとえ賃貸借契約条項において賃借人破産の場合は賃貸人は解除できる旨の条項があってもそれは法的には無効と解されていますので、破産を理由に出て行かなければならないということはありません。しかし、既に家賃を滞納しているなら、賃料不払い理由とする家主の解除がなされるおそれはありますが、それは通常の賃貸借契約の問題とかわりません。 破産法の観点からいえば、自己が居住するアパートの賃料の支払いが偏頗弁済(へんぱべんさい 法的に許されない一債権者のみへの支払)となることはないということになります(不相当に高額な賃料でない限り)。

 

 

A.11 マイホームはどうなるの?
 

破産を選択した場合で、ローンが残っていないならば、破産管財人が就任し、住宅を換価して債権者に配当することとなります。ローンが残っており明らかなオーバーローンであれば(大阪地裁では被担保債権残額が固定資産税評価額の2倍を超える場合など)同時廃止になることもあります。この場合は破産管財人が住宅を売却することはありませんが、住宅ローンのみを支払っていくことは偏頗弁済(へんぱべんさい)となり、免責不許可事由となりますので、支払えません。そうなると債権者が担保を実行することとなり、結局、住宅を維持することは出来ません。
 なお破産管財手続の中で、破産財団に属さない財産(破産開始決定後に取得する財産)をもって、破産管財人から住宅を任意で買い取るという方法もありますが、一括の代金支払いが必要となりますから、身内に多額の資金を提供してもらう必要があるでしょう。
 マイホームを残したいなら任意整理や個人再生の手続を考えることとなります。

 

 

A.12 保証人がいるのですが、迷惑がかかりますか?
 

 主債務者のために保証人が付いている場合に、その主債務者が破産をし、免責を得たとしてもその効果は保証人には及びません(保証人はなお債権者に対して債務を負担し弁済しなければなりません)。

 債権者にしてみれば、主債務者に信用不安があるから、保証人をつけたのであって、いわば信用不安が現実化してしまった(主債務者破産)場合にこそ保証人に支払ってもらいたいと考えるのは当然ということでしょう。従って、債権者からの請求が保証人に対してなされるので保証人に迷惑がかかることとなります。
 ただ、保証債務が少額であるなら本人(主債務者)は破産し、保証債務は任意整理で処理することも可能でしょう。しかし、保証債務が高額である場合や、特に保証人が配偶者である場合などは、主債務者の破産のみでは実際上、その債務整理の意味は大きくありません(家計が同一であるため)。
 その解決には夫婦の収入・支出や各人について破産申立について障害の有無(破産による資格喪失有無など)等を具体的に考慮して、それぞれ、破産、任意整理、個人民事再生を組み合わせて考えていくのが妥当だと思います。

 

 

A.13 管財事件と同時廃止事件の振り分け基準

 

 管財事件では破産管財人が裁判所から選任され、破産者の有する財産を調査して債権者の債権額を確定させ、破産者保有財産を換価し配当の任にあたり、同時に破産者に免責を認めるべきかの調査もします。

 他方、個人の破産事件の大半は破産者は破産管財人の費用を予納することも困難な状況にあります(その費用は大阪地裁では最低20万円程度です)。それは「破産手続の費用を支弁するのに不足する」(破産法216条)状態ですから破産開始と同時に手続を終了するという同時廃止決定がなされます。

 なお一定の財産があるけれど、それは申立人側で債権者の債権額に応じた一定割合の支払(按分弁済)をなすことをまって(あえてお金をかけて管財人を就任させるよりも申立人側で簡易な配当手続をなすことにより)その後に同時廃止の決定をなすという処理を(大阪地裁では)なす場合もあります。他方、按分弁済額が100万円を超えるようだと管財事件に移行するのを原則としています。 

 さらに次に見る自由財産との関連で言えば個人の破産では個別の資産(預金や保険金)ごとの評価額が20万円未満であり、かつ現金を含めた各財産の評価額の合計額が99万円未満ならば同時廃止の処理をなすのを原則とするのが大阪地裁の運用です。

 管財事件とされる場合は、すなわち破産管財人を就任させて破産者の財産の調査をする必要がある、換価・配当の手続を実施する必要があるという場合ですが、その他に免責不許可となりうる事由があるが裁量により免責出来るかどうかを裁判所が更に調査するために管財人を選任する場合もあります(いわゆる免責観察型の場合)。 以下、管財事件とされる場合を列記しますと、

・破産申立人が一定の財産を保有する(と見込まれる)場合

・申立直前の財産処分行為につき管財人の否認権行使を検討するべき場合

・申立人が事業者である場合、直前まで事業者であった場合

・免責不許可事由が存在するも裁量免責のための管財人の指導や調査を要する場合

 なお付言しますとこの後の項目で説明している自由財産拡張の裁判の手続には法律上、管財人の意見を聴くことが要件とされているので、かかる申立する場合には必ず管財人が付されるということが言えます。

 

A.14 自由財産とは何か

 

自由財産とは破産者の財産のうち、破産手続開始決定後も破産管財人が処分する財産とされず破産者の自由になる財産をいいます。

 平成17年改正の破産法では個人の破産の場合は「現金」99万円を保持しつつ破産できるという点が話題となりました。その趣旨は破産者の経済的再起更正をはかるなら一定の資産の保有は必要だという点を考慮したものです。

 法定の自由財産としては、この現金の99万円以下の他に、破産手続開始後に取得した財産(新得財産 例えば給料など)や、生活に不可欠な財産としての衣服や家具、寝具などの民事執行法上の差押禁止財産が含まれます。

 

 

A.15 自由財産の拡張の制度

 

法が破産者にその保持を認めた財産(法定の自由財産)以外に破産者の生活をするうえで必要と認められる財産につき裁判所の決定により破産者の自由財産とすることを認める制度です。

 まず、法定の自由財産とはA.14で示したように、金銭(現金)99万円・破産法や民事執行法により差押が禁止された財産(生活に必要な衣服、寝具、台所用品)などを言います。

 法はこれ以外に、破産者の申立あれば破産管財人の意見を聴いた上で裁判所は破産者の生活状況などを考慮し、自由財産を拡張出来るとの規定をおいています(破産法34条4項、5項) 
 ただ、どの範囲で拡張を認めるかは、裁判所は破産管財人の意見を聴くべき(同5項)、とされるので破産管財人の意見が人によって、また事件によって区々となれば破産申立人も債権者も予測困難・不公平を来します。そこで各裁判所で一定基準が作成されています。ただ、その基準は各裁判所で異なるので注意が必要です。

 

 

A.16 自由財産拡張の基準(具体例)

 

〔例〕現金30万円 保険解約返戻金35万円 株式20万円 自動車30万円 退職金予定額の8分の1の額=20万円 の場合

自由財産拡張の基準は各裁判所で異なります。大阪地裁では次のような運用基準を公表しています(自由財産の拡張制度は『管財型』の事件でのみ利用出来ます 管財人選任のための予納金は申立人負担です)
 [基準1] 次の財産の評価額がそれぞれ20万以下なら原則拡張相当(但し基準4による合計額としての99万円の上限基準あり)
 預貯金・積立金、保険解約返戻金、自動車、敷金・保証金返還請求権(契約書上の金額から延滞賃料及び60万円控除)、退職金債権(原則は支給見込額の8分の1で評価)、電話加入権
 [基準2] 前記の財産であってもその評価額が20万円を超える場合は拡張を認めることが相当でない事情(例えば当該財産が破産者の再起更正に必要とはいえない場合)が認められない限り、拡張相当(但し基準4の99万円上限基準あり)とする
 [基準3] 「1」以外の財産(例 有価証券・不動産)は原則拡張不相当とする
 [基準4] 1ないし3の基準により拡張されると最終的に自由財産合計額が99万円越える場合は原則的に拡張不相当とする

 「株式」は特段の事情がない限り拡張不相当となります(基準3より)。また「自動車」は、20万円を超えるものの拡張を認めることが相当でない事情がない限りは拡張相当となります(基準2より)。
「退職金」については基準1から拡張相当となります。
 しかし、その結果、株式を除いても自由財産合計額(現金含む)は115万円となってしまい99万円を超えてしまいます(基準4)
そこで、例えば、管財人と協議して保険解約返戻金を拡張の対象外とする措置をとって基準4に合致するようにします(例えば保険金を解約して、自由財産合計額が99万円になるまで返還するという措置を採用する)。
 そういう手続を経れば、原則的には、現金、自動車、退職金については、自由財産とすることが認められると言えるでしょう。

 

 

A.17 自由財産の総額が99万円を超える自由財産拡張の可否

  

実際には決して容易ではないのですが可能です。
 99万円を超える財産を残さないならば生活できず、経済的再起更正がはかれない具体的な事情が存在し、破産管財人も拡張相当との意見を持ち、かつ裁判所も拡張が必要だと判断すれば可能ということになります。
 実例としては破産手続開始時点で数百万円の現金があったが破産者が寝たきりで入院中のために将来も社会復帰が絶望的という状況の下で今後医療費に必要ということでその約70%を自由財産として認めたケースがあると報告されています。

 

A.18 再度の免責の可否

 

再度免責を得ることは可能です。
法は、前回の免責許可の決定が確定した日から7年以内の免責の申し立てについては免責許可をしないとします(破産法252条1項10号)。本設例ではこの7年を経過しているので再度の免責許可決定を得ることは可能です(破産法252条1項10号)。
 ただし、再度の免責の申し立てについては、浪費などの免責不許可事由がある場合は裁量免責(次項)の判断は厳しく運用される傾向にある点には注意するべきでしょう。

 

A.19 裁量免責の運用

 

 破産者は免責不許可事由のいずれにも該当しない場合にはじめて免責が許可されます。その免責不許可事由の一つに「浪費又は賭博その他の射幸行為」が挙げられます(破産法252条1項4号)。
 しかし法は裁量免責制度を明文化し、破産に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認められる場合は裁判所は免責を許可できるとしています(252条2項)。
 これを受けて、大阪地裁では、その不許可事由の程度が軽微にとどまるものである場合は、裁量免責の決定を出すために、訓戒、反省文の提出、家計簿の作成などを条件として同時廃止事件として処理する場合があります(或いはまた、申立を受けて開始決定を下す前に裁判官が審尋をなす債務者審尋期日を入れる場合や、開始決定・同時廃止決定後の免責審尋期日を入れる場合もあります)。

 しかし、その程度がもはや軽微とは言えず、反省文の提出程度では経済的な再起更生を達成出来るとは考えられないと判断される場合は、破産管財人を選任し、いわば保護観察官のように一定期間、債務者の家計管理について指導監督しつつ、裁量免責の判断の一資料としての更生に向けた努力を評価・観察・確認し、管財人からの報告を基礎に裁判所は裁量免責が相当であれば裁量免責を行うという免責観察型の管財事件を大阪地裁では扱ってきました
 従って浪費やギャンブルの回数・額・程度によりますが、反省文の提出で済む場合やこの免責観察型の管財事件となりうる場合であれば、免責の可能性があるということになります。
 ただし、その程度がかなりひどいという場合は、このこの免責観察型さえ利用出来ませんから任意整理や個人民事再生手続の利用を検討するべきことになります。

 

A.20 免責観察型の管財事件

 上の「19」でみたように裁量免責制度の具体的な運用の一つとして、浪費などの免責不許可事由がある場合に、管財人が債務者の家計管理につき、いわば後見的に監督していく手続を採用する場合があります。免責観察型の管財事件となった場合は、以下の手続をたどることになります。
1 破産者は毎日家計簿(領収書付)を作成し、それを毎月1度、破産管財人(弁護士)の事務所に持参します
2 家計簿から節約しているかどうかなどを破産管財人がみて、問題があれば指導します
3 3ヶ月から6ヶ月間指導に従い、真面目に節約した生活を送り、破綻した生活から脱したと認められれば破産管財人はこれを意見書にまとめます。裁判官はこの意見を参考にして免責の決定を下します。
4 破産者が、家計簿を作成しない、持参しない、破産管財人の指導に応じない、その他真面目に節約した生活を送れなければ免責観察型の管財事件でも免責が許可されないこととなってしまいます。